入院中の母へ贈った誕生日プレゼント|何を選べばいいのか本当に悩んだ日

介護

③ 誕生日当日に「おめでとう」を伝えられたこと

 

病室へ入って、

「お誕生日おめでとう。」

そう言って、プレゼントを渡しました。

まずは子どもたちからのシャボンフラワーです。

でも、飾ろうとして困りました。

大部屋なので、置ける場所がほとんどありません。

どうしようかと見回していると、カーテンレールに掛けていたハンガーが目に入りました。

シャボンフラワーのクリアケースには、上にひもが付いています。

そのひもをハンガーのフック部分に通して、ハンガーをフック代わりにして飾りました。

ちょうど母がベッドから見える位置です。

置く場所はありませんでしたが、結果的にはいつでも目に入る場所になりました。

私からのフリースベストも渡しました。

本当は、母自身にラッピングを開けてもらいたかったんです。

何が入っているんだろう。

そんな気持ちで開ける時間も、プレゼントの楽しみの一つだと思うからです。

でも、今の母にはラッピングを開ける力がありません。

結局、私たちが包みを開けることになりました。

少し寂しい気持ちもありました。

それでも、母はフリースベストを見ると、

「寒いから掛けて。」

そう言いました。

そして、その場ですぐ布団の上へ掛けました。

あとで使うのではなく、すぐ使ってくれたことがうれしくて、

「これにしてよかった。」

そう思いました。

おわりに

プレゼント選びは、本当に悩みました。

何を贈ればいいのか分からず、ショッピングモールを何度も歩き回りました。

それでも、一番意味があったと思うのは、誕生日当日に家族みんなで病院へ行けたことです。

後日プレゼントを渡すこともできます。

でも私は、できることなら誕生日当日に

「おめでとう」

と伝えたいと思っています。

私だったら、その日にお祝いしてもらえたら、

「誕生日を覚えていてくれたんだ」

と思ってうれしいからです。

今年は、その日に家族みんなで母へ

「おめでとう」

と伝えることができました。

完璧なお祝いではありませんでした。

それでも、その日の時間は、私にとって大切な思い出になりました。

また一つ、小さな思い出を積み重ねることができました。

秋山紅葉

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