② 楽しみに残していたもっちゅりんがなくなっていたこと

次の日の朝、次女ちゃんは、もっちゅりん いちごだけを食べて学校へ行きました。
前日に三種類を1個ずつ食べていたので、次女ちゃんの分として本来残っていたのは、もっちゅりん きなこ1個、もっちゅりん みたらし1個、もっちゅりん いちご1個でした。
そのうち、朝にもっちゅりん いちごを食べて行ったので、家に残っていた次女ちゃんの分は、もっちゅりん きなこ1個と、もっちゅりん みたらし1個だけです。
次女ちゃんは、帰ってきてから、その2個を食べようと思っていたようです。
私はその日、長女ちゃんが一口だけ食べて残したもっちゅりん みたらしと、長女ちゃんが食べなかったもっちゅりん いちごを、お弁当代わりに持って会社へ行きました。
家を出る順番は、次女ちゃん、私、長女ちゃんでした。
次女ちゃんが先に学校へ行き、次に私が会社へ行き、そのあと長女ちゃんも学校へ行く流れでした。
私は、家に残っているもっちゅりん きなこと、もっちゅりん みたらしは、当然そのまま残っていると思っていました。
次女ちゃんが帰ってきたら、それを食べるのだろうと思っていました。
でも、次女ちゃんが楽しみに帰ってきて見てみると、残っていたのは、もっちゅりん みたらしだけでした。
次女ちゃんが楽しみにしていた、もっちゅりん きなこがなくなっていたのです。
次女ちゃんは、かなり怒りました。
「誰が食べたん?」
そう聞いてきました。
私は食べていません。
自分が会社へ持って行ったものも分かっていたので、
「私は食べてないよ」
と言いました。
そうすると、次女ちゃんはすぐに、長女ちゃんだと思ったようでした。
次女ちゃんからしたら、ただのドーナツではなかったのだと思います。
自分が食べたいと思って、30分くらい並んで買ったもっちゅりんです。
しかも、自分の分として残していたものです。
それなのに、帰ってきたらなくなっている。
残っているのは、あまり好みではなかった、もっちゅりん みたらしだけ。
それは、怒るのも分かります。
次女ちゃんは、長女ちゃんがもっちゅりん いちごを食べていなかったことも知っていました。
次女ちゃんにとっては、もっちゅりん いちごともっちゅりん きなこが、同じくらいおいしかったようです。
だから、もっちゅりん きなこがないと分かったあと、
「じゃあ、長女ちゃんが残したいちごは?」
と聞いてきました。
そこで私は、長女ちゃんが食べなかったもっちゅりん いちごと、一口だけ食べて残していたもっちゅりん みたらしを、その日のお弁当代わりに会社へ持って行ったことを話しました。
そうすると、次女ちゃんからしたら、食べられると思っていたものが本当に何も残っていなかったのだと思います。
楽しみにしていたきなこはない。
同じくらい好きだったいちごもない。
残っているのは、あまり好みではない、みたらしだけ。
私も、まさか長女ちゃんが次女ちゃんのもっちゅりん きなこを食べているとは思っていませんでした。
もし分かっていたら、長女ちゃんが食べなかったもっちゅりん いちごを、次女ちゃんのために残しておいたと思います。
でも、その時にはもう食べてしまっていました。
今さらどうすることもできません。
「こんなことなら、いちごを残しておいてあげたのに」
そう思いました。
長女ちゃんが一番最後に帰ってきたとき、次女ちゃんはすぐに怒っていました。
「なんで勝手に食べたん?」
「私、30分も並んで買ったのに」
「なんで自分は並んでないのに、人の分を勝手に食べるん?」
そんなふうに怒っていました。
たかがドーナツ。
そう言ってしまえば、それまでです。
でも次女ちゃんにとっては、自分の楽しみでした。
自分で並んで、自分の分として残していたおやつでした。
子どもが喜ぶおやつだからこそ、親としては少し軽く見てしまうところもあります。
でも本人の中では、ちゃんと大事なものだったのだと思います。
私も、長女ちゃんが勝手に食べるとは思っていませんでした。
でも、結果的に、次女ちゃんが食べられそうだったもっちゅりん いちごまで、私が持って行ってしまいました。
悪気はありません。
でも、少し罪悪感は残りました。
それで私は次女ちゃんに、
「次の休みに、もっちゅりん きなこを買いに行ってくるわ」
と言いました。
調べた感じでは、もっちゅりん いちごはもう終わりに近そうでした。
でも、もっちゅりん きなこと、もっちゅりん みたらしは、まだ買えそうでした。
次女ちゃんにとっては、もっちゅりん きなこと、もっちゅりん いちごが同じくらい楽しみだったのだと思います。
でも、いちごが難しそうなら、せめてきなこだけでも、もう一度買ってこようと思いました。


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