③ 愛犬と避難の話

ただ、その前から愛犬ちゃんがずっと吠えていました。
普段とは少し違う鳴き方で、続けて何度も吠えていました。
いつもみたいに間が空く感じではなくて、ずっと続いている感じでした。
長女ちゃんが別の部屋にいた愛犬ちゃんを迎えに行き、抱っこしてキッチンに連れてきました。
次女ちゃんは「怖かったの?」と声をかけていて、その様子を見ながら少しずつ実感が出てきました。
人よりも先に気づいていたのかもしれない、そんな話になりました。
そのあと、「もし地震で避難しなきゃいけなくなったらどうするか」という話になりました。
うちでは一応、それぞれの防災リュック(非常用持ち出し袋)は用意しています。
それに加えて、愛犬ちゃん用のリュックもあり、餌やおやつ、ペットシートなど必要なものをまとめています。
ただ問題は、愛犬ちゃんをどうやって連れて行くかでした。
抱っこして行くのか、リードで行くのか。
リードだと人が多い中で動き回ってしまうかもしれないし、周りの人の邪魔になるかもしれないという話になりました。
だから結局、抱きかかえて行くしかないね、という話になりました。
さらに、移動用のケージも必要になります。
ケージは一番大きいので、誰が持つかという話になりました。
誰かが自分のリュックを背負って、愛犬ちゃんを抱える。
誰かが自分のリュックを背負って、愛犬ちゃん用のリュックを持つ。
さらに誰かが自分のリュックを背負って、愛犬ちゃんの移動用ケージを持つ。
そうやって役割を考えていくと、思っていたよりもやることが多くて、少し現実的な重さを感じました。
その間も私はご飯を作り続けていて、長女ちゃんは愛犬ちゃんを抱っこしていて、次女ちゃんもそのまま手伝ってくれていました。
結局、ご飯はそのまま出来上がって、いつもの流れに戻っていきました。
大きく揺れたわけではなくて、本当に一瞬ふらっとしただけで、体感としてはほとんどありませんでした。
それでも、あの違和感と愛犬ちゃんの様子、そして緊急地震速報の音は、あとになっても少し心に残っていました。
おわりに
大きな揺れではありませんでした。
体感としては、ほんの一瞬ふらっとしただけでした。
その場では、いつもの日常の中にそのまま戻っていって、ご飯もそのまま出来上がりました。
それでも、あのときの違和感や、愛犬ちゃんのいつもとは違う吠え方、そして緊急地震速報の音は、あとになって一つにつながりました。
本当に地震に気づいていたのかは分かりませんが、もしかしたら愛犬ちゃんは私たちより先に何かを感じていたのかな、と家族で話しました。
そして今回の地震をきっかけに、愛犬ちゃんと一緒に避難するとしたら、どうやって連れて行くのか、誰が何を持つのかという話もしました。
防災リュックも愛犬ちゃん用のものも用意しているけれど、実際に避難するとなると、愛犬ちゃんを抱えて、ケージも持って、それぞれの荷物も持たなければなりません。
実際にその場になったら、ちゃんとできるのかなと思うところもあります。
ほんの一瞬の小さな揺れでしたが、愛犬ちゃんと一緒に避難することについて、家族で話すきっかけになった一日でした。
秋山紅葉



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