③ 一口で食べられるお菓子を選ぶ理由と、退院したら食べてほしいもの

お見舞いを終えたあと、私は次女ちゃんと一緒に、そのままスーパーへ向かいました。
母に頼まれたお菓子を買うためです。
母から以前、
「ベッドで食べるから、一口で食べられるお菓子がいい。」
と言われたことがあります。
病院ではベッドの上で食べることが多いため、大きなお菓子だと食べこぼしてしまうことがあります。
その話を聞いてからは、お菓子を選ぶときも、一口で食べられるものを中心に選ぶようになりました。
最近、母が一番よく頼むのは、昆布のお菓子です。
お見舞いへ行って、
「何か買ってきてほしいものある?」
と聞くと、
「昆布のお菓子買ってきて。」
そう言われることが増えました。
だから今回も、カルくカムこんぶと、さける昆布をかごへ入れました。
それ以外は、
「後は何でもいいよ。」
と母は言います。
その言葉を聞くと、今度は私が母の好きなお菓子を思い浮かべながら売り場を歩きます。
母はハーベストが大好きなので、バタートースト、こんがりシュガー、香ばしセサミを選びました。
サブレも好きなので、ココナッツサブレ、ナッツサブレ、バターサブレもかごへ入れます。
そのほかにも、雪の宿やぱりんこ、おつまみよりどり3種アソート、おかきのペアパック、ミックスナッツやウルトラミニアソートなど、母が好きなお菓子を一つずつ選んでいきました。
母が好きなお菓子であること。
そして、一口で食べやすいこと。
その二つを考えながら、今日も買い物かごへ入れていきました。
本当は、買ってあげたいお菓子がもう一つあります。
アーモンドが入ったチョコレートです。
母は、そのチョコレートも好きでした。
お菓子売り場で見かけるたびに、
「これも好きやったな。」
と思ってしまいます。
でも、病室には冷蔵庫がありません。
病院は寒い時期でも暖房が入っているので、チョコレートは溶けてしまうのが気になります。
手も汚れますし、ベッドの上で食べることを考えると、今は持って行くことができません。
好きなお菓子なのに買ってあげられないのは、少し残念です。
以前、家で過ごしていた頃なら、好きなお菓子を気にせず買って帰ることができました。
でも今は、病院での生活に合わせて選ばなければいけません。
それでも、母が安心して食べられるお菓子を選ぶことが、今の私にできることなのだと思っています。
そして、いつか退院して、また家で過ごせる日が来たら、母が大好きなアーモンドの入ったチョコレートも、気にせず食べられるようになったいいなと思います。
おわりに
今日も母のお見舞いへ行き、頼まれていたお菓子を買って帰りました。
今の母にとって、お菓子を食べる時間は、毎日の中の小さな楽しみの一つなのだと改めて感じました。
完璧ではありませんし、買ってあげたいものを全部届けられるわけではありません。
それでも、母が少しでも楽しみにできる時間が増えるように、これからも今できることを一つずつ積み重ねていきたいと思います。
秋山紅葉



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